当院の麻酔とは『病院にきてから手術が終了するまで可能な限り痛みをおさえて手術を終える麻酔』のことです。
手術をする際、手術前の不安を取り除くため、抗不安剤を筋肉に注射をしたり、点滴を血管に刺したりしますが、このような針を刺す痛みもすべて除いたものが、当院の麻酔による手術です。これにより、局所麻酔の際にも、針を刺す痛みもなくすことが可能となりました。(コンジローマ除去手術などの局所麻酔では保険診療制約上、麻酔は行わず、局所麻酔の際の針をさす痛みは生じます。恐怖心が強く、保険外診療で麻酔を行うかたはいます。)
当院の麻酔は小児科手術の麻酔法をヒントに研究し、大人の外科手術まで対応できる様に開発をすすめたものです。用いられる薬は数種類あり手術や状況によって使い分けをします。日本のみならず全世界で使用されているものです。
- 飲み薬で有害なアレルギー反応をおさえ、不安を取ることから始めます。
人は不安が強いと、眠っている間に様々なアレルギー反応を起こします。例えば、静脈麻酔を使用したとします。針やメスなどで痛みが加わりますと、血液中の白血球からロイコトリコン、インターロイキンなどの化学物質が放出されます。これらの物質は、生体内では有害作用としてくしゃみ、鼻水を引き起こします。その様な状態では安全に手術ができません。飲み薬でその様な反応が起きないようにし、不安をなくすことで、安全に手術ができる状態を作ります。
骨格手術の様に大きな手術を受けられる患者さまは入院が必要となります。入院中は、レディース式セデーション法といって鎮痛剤を独自使用することで手術後も痛みを感じないで過ごしていただくことができます。人間は、刺激がある一定のレベル(閾値)を超えると痛みを『痛み』として感じます。通常手術をしますと、下図にあるBのラインのように痛みは減退していきますので、手術当日が最も痛くて、手術後3~5日目にやっと痛みを感じなくなります。これに対し、レディース式セデーション法とは、下図にあるAのラインのように手術当日に一度、特殊な方法で痛みを「0」にします。つまり、痛み信号はあっても『一定のレベル(閾値)に達していないため、"痛い"と感じない』という、人間の体の仕組みを応用した方法です。
- 手術後の痛みも非常に少なくなります。(ブプレノルフィン鎮痛法と言います。)
人間は、刺激がある一定のレベル(閾値)を超えて初めて、痛みを『痛み』として感じるものです。通常手術をしますと、下図にあるBのラインのように痛みは日々減退していきます。手術当日が最も痛く、手術後3~5日目に痛みを感じなくなります。これに対し、下図にあるAのラインのように手術中に一度、鎮痛剤で痛みを「0」にします。そうすることで、痛みの信号をなくします。そうすると細胞レベルでは痛みはあっても『一定のレベル(閾値)』 に達していないため、『感覚としての"「痛み」"を感じない』という現象が生じます。結果、手術後の痛みは非常に少なくてすむのです。